2019年02月23日

コバヤシ画廊「永原トミヒロ」展 評論

 2019年のコバヤシ画廊での個展について、美術評論家の「かしまかずお」様が、コバヤシ画廊での個展について書いてくださいました。

           永原トミヒロ個展作品 「Untitled」について     
             (もっと光をと言わぬ迄も、光を) 
                   2019(平成31)年2月4日〜16日(3丁目:コバヤシ画廊) 
  画廊に入って正面、永原トミヒロ作品を観た時、血の気がすっと退いて身震いした。  こんな風景(Untitled)観たことがない。私は普段、抽象絵画をはじめ抽象作品を対象に評 論をしているが、具象が嫌いなわけではない。永原トミヒロのUntitledとする風景に私は驚 き、その風景は私の心を揺さぶった。具象の評論で納得が得られるものが書けるか不安だ が、この際是非とも、永原トミヒロの絵と印象を記録に残しておきたく思ったのである。  作品はダークブルーの昏い色調にくすむグレー、雨を含む雲のようなどんよりした空気感 が漂うかと思う絵、人通りのない街道の田舎道を挟んで裏さびれた家並みの画面左手前に甍 が、奥に蔵がある絵や、昏い夜明け前の雪景色のようにも感じられる絵もある。  さらに驚いたことに、まだ日の高い午後、道向かいの建物の影を映す反対側の家壁が描か れているその絵は、満月の光を受けているかに見えるのである。夜霧か霞の中、遂には消え 行って終いそうな永原の形象を、敢えて言ってしまえば朦朧体ということになるのかも知れ ないが、永原の風景には輪郭線がほとんど無い。これほど暗い絵であるのに、画面に釘付け になってしまう、強い(強度のある)絵なのである。  かつて一度も見たことがない何処かの町の街路や街並み、葉を悉皆落とした木の枝も寒々 と見えるのに、観る者に強い既視感を催させて「もしかしたら幼児期に見たのかも知れな い。否、夢の記憶なのだろうか」と、心の奥から懐旧感情が込み上げてくるのである。  その絵画は、永原トミヒロの心象風景などというものではなかろう。極端とも思える色彩 の抑制、青以外の色彩のほかは黒とグレーだけで描いたかに思える昏い画面。色彩を喪失し た白日夢を見ているような気持にさせる画面。不思議な懐かしさに襲われ思わず立ち止まっ てしまう画面。永原トミヒロは、どのような手法、どのような絵画感でこの絵を描いたの か、知りたくて堪らない。絵具を塗り重ねるほどに黒くなっていくのに敢えてなぜ、永原の 絵は人の心を捕えるのだろうと思わずに居られないのである。  そして自問自答の中で、永原の独特の「光」表現に思いが至った。永原が生み出している のは、「新しい光」に相違ない。従って、作家は対象とする風景を主要な問題にしていな い、だから実際にある風景でなくとも一向に構わない筈だ。作家が作品タイトルをUntitledと しているのは、光の中における容態の具現化を、主要な課題としているからなのだ。  かつてレンブラントの光りは、光と闇の対比を強調することで生まれる非日常性や宗教的 厳粛さを表現するための、またフェルメールの光は対象の細部まで当てることで色彩表現の 効果を最大限にするための、更にモネの光は、外光の中で移ろいゆく景色を瞬時に描き出す ための表現手段だった、と言われている。作家永原トミヒロにとっても光はまた重要な要素 なのだ。  キャンバスという二次元平面の上に三次元の具象の風景を再現する絵画であれば、遠近法 だけではなく同時に「光」も課題になるか。永原は自分の「光」表現を追及した独自の形象 化を主要課題として、このような胸に迫る作品を創り出したのだと思う。次回どのような画 面に変貌しているのか興味深く注視していきたい。再度、こんな風景(Untitled)観たことが ない。    2019年2月14日     
                        美術評論家 かしまかずお​(元新宿文化センター館長) 
posted by nagahara at 20:15| 日記

2019年02月18日

制作はひと休み

コバヤシ画廊の個展が終了し、作品が返却されてきた。これらをまた整理しないといけない。これがまた面倒だ。
posted by nagahara at 21:21| 日記

2019年02月16日

コバヤシ画廊での個展終了。

 2週間のコバヤシ画廊での個展が本日で終わり、先ほど東京から帰ってきました。
 今回の個展では、教え子の卒業生たちが沢山来てくれ、久し振りに会うことができて嬉しかったです。それと、みんなたいへん立派になり活躍され、眩しかったです。
 現在、NHKの夕方5時から放送中の「シブ5時」のお天気キャスターとして活躍されている福岡良子さんも来てくれました。昔の話で盛り上がりました。
 今回の個展で来ていただいた皆様、ありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。
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posted by nagahara at 23:48| 日記